球速比率で見るスライダーの性質
最も投げられている変化球
言うまでもなく投球の基本は全投球の約半数を占めるストレートだ。しかし、投手はストレートだけで抑えることは難しく、ありとあらゆる球種を駆使して打者を打ち取りにかかる。そんな中で最も多くの投手が投げる変化球がスライダーだ。今季NPBで一軍のマウンドに上がった347人のうち、約90%にあたる305人が投じており、ストレートを除くと最も投球割合の高い球種となっている。では、スライダーには一体どのような特徴があるのだろうか。今回はスライダーの球速に着目し、それぞれの性質を探っていきたい。
ストレートが速いほどスライダーも速い
まず、スライダーはどのような球種なのだろうか。そこで、今季のNPBでストレートとスライダーをそれぞれ100球以上投げた143投手を対象に、ストレートとスライダーの平均球速を散布図にしたのが図1だ。横軸にストレートの平均球速、縦軸にスライダーの平均球速を示している。これを見ると、基本的にストレートとスライダーの球速には相関関係があり、ストレートが速い投手はスライダーも速いことが分かる。しかし、美馬学(楽天)と玉井大翔(日本ハム)のように、ストレートの平均が140キロ台中盤と同程度であっても、スライダーの平均が約20キロ異なるケースが見受けられるなど、例外もあるようだ。
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