投手の「タイプ」とは?
投球成績から投手のタイプを分ける
Baseball LABでは、選手の特徴を直感的にイメージできるよう、過去のデータを用いたタイプ分類を試みている。
投手は過去10年の年度別投手成績(被単打、被二塁打、被本塁打、奪三振、与四球、奪併殺打、三振以外の凡打、投球回)から9タイプに分類した「投球タイプ」と、過去10年のストレート、カーブ、シュート、スライダー、フォーク、シンカー、チェンジアップ、特殊球(ナックルやパームなど)、カットボールの投球割合から20タイプに分類した「球種タイプ」を記載している。ともに年度別のデータを使用し、先発もしくは救援で30イニング以上投げた投手を対象としている。それでは、各タイプを具体的に解説していこう。
投球タイプ
エース格
投球回が多く、先発として三振を多く奪えるタイプ。本格派が多く、各チームにおけるローテーションの柱が集まる。
三振奪取
与四球はやや多めだが、三振を多く奪い、被打率も低いタイプ。絶対的な決め球を持つ抑え投手が多い。
技巧派
奪三振は多くないが、凡打を打たせる投球で投球回を稼ぐ先発投手。四球もやや少なめで、コントロールのまとまった投手が多い。
打たせて取る
奪三振が少なく、凡打を打たせる投球が持ち味のタイプ。「技巧派」タイプほど投球回を稼いでおらず、先発、救援の両方をこなす投手が多い。
荒れ球
奪三振と与四球がともに多いタイプ。被打率は低い方だが、コントロールがアバウトで長打を浴びやすい。
スクランブル
ローテーションの谷間やビハインドの場面で登板する投手。成績は平均より低い数値で、特に長打を浴びやすい。
安定感
奪三振が多く、与四球が少ないタイプ。セットアッパーに加え、好成績だが年間通しての活躍はしていない先発投手が多い。
ムラっ気
与四球が多く、試合ごとに調子の良し悪しがはっきりするタイプ。武器となる球種は持っているため、長打はそれほど浴びない。
バランス型
被本塁打がやや多いが、その他はほぼ平均的な成績の投手。年度ごとに成績が大きく変わる投手もいる。
球種タイプ
オーソドックス
速球メイン
速球&スライダー
速球&フォーク
スライダー&シンカー
スライダー&シュート
ムービングファストボーラー
シュート(ツーシーム)とカットボールの割合が6~7割程度を占める投手。2013年はウルフとダックワースが当てはまる。
カーブの使い手
カーブ&シュート
シュート(ツーシーム)を中心にカーブを織り交ぜるタイプ。2013年は該当者なし。
カットボールの使い手
左右の揺さぶり
シュートボーラー
シンカーボーラーA
シンカーの割合が3~5割程度のタイプ。木塚敦志や渡辺俊介などサイドスローやアンダースローが多い。2013年は該当者なし。