過去10年で6人だけ!高卒ルーキーの開幕一軍入り タイムリーdata vol.80
上の表はオープン戦で登板した高卒新人投手の一覧です。そのうち開幕一軍を勝ち取ったのは3人でした。ただし、2007年の田中将大(楽天)は開幕時点は一軍から外れていましたが、5戦目に昇格して先発。同じく楽天の松井裕樹も開幕ローテーションに加わっています。
08年に開幕一軍入りを果たした豊島明好(日本ハム)は、高校生ドラフト6巡目で指名された選手。同期には中田翔などがいました。豊島はオープン戦の登板は1試合ながら無安打リリーフを披露しています。3月26日の公式戦デビューで1イニングを三者凡退に抑えるなど2試合に登板しましたが、4月9日に登録抹消。その後は二軍で思うような結果を残せずに、わずか3年でチームを去りました。
藤浪はオープン戦で3試合に登板。最後のマウンドで打ちこまれたこともあり防御率は5点台でしたが、投球回に迫る奪三振数を記録するなど大器の片りんを見せました。その後、3月31日にドラフト制後の高卒新人では史上最速となる開幕3戦目での先発デビュー。6回2失点で黒星を喫したものの、自身2度目の先発となった4月14日のDeNA戦で初白星をつかんでいます。以降の活躍は皆さんもご存じの通りでしょう。
二刀流起用で話題を集めた大谷は、オープン戦の登板は1試合のみ。3月21日の楽天戦の8回にマウンドに上がると、最速157キロをマークしました。その裏に打席に立つと、9回にはライトの守備に。2イニングの間に「二刀流」をこなしています。開幕を一軍で迎えた大谷ですが、この時点では野手として評価を受けていたようです。
バッター・大谷は、オープン戦打率.182と際立ったものではないものの、3月17日の中日戦でソロを記録。過去10年のオープン戦で本塁打を記録した高卒ルーキーは3人だけとなっています。3月29日の開幕戦には8番・ライトでスタメン出場を果たすと、2安打1打点の活躍。鮮やかなデビューを飾りました。
オープン戦で本塁打を記録した高卒新人の1人は、西武の炭谷銀仁朗。守備面でも、盗塁を試みた走者を7機会中3度刺すなど、その強肩を示しました。上の表を見ると、オープン戦でプロの投手を相手に苦戦するバッターが大多数の中、文句なしの成績を収めたことが分かります。シーズン開幕後も3月29日のソフトバンク戦で1試合2本塁打を記録しましたが、その後は攻守で苦しみ5月には二軍落ち。昨季までの自己最高打率は09年の.220と、バットでは思うような結果を残せずにいます。