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コラム COLUMN

戦力外の中から、一芸に秀でた選手を探せ! タイムリーdata vol.65

齊藤 亮太

 昨日から戦力外第二次通告期間が始まりました。今季は、前年オフに戦力外通告を受けた堂上剛裕や八木智哉などが活躍。今年も、すでに戦力外と発表された中にまだまだ力を発揮できるプレーヤーはいるのでしょうか。今回は一つの能力に秀でた、一芸選手を探っていきたいと思います。もしかしたら、11月に開かれる合同トライアウトで契約を勝ち取る選手が出てくるかもしれません。

変則フォームからのスライダー、中後悠平

 まずは、ルーキーイヤーとなる2012年に27試合の登板を果たした、ロッテの中後悠平です。中後の特徴はスライダーを多投するスタイルで、1年目には実に7割近い投球割合を記録。そしてこの球を武器に20回1/3を投げて15個の三振を奪いました。今季は一軍登板機会がありませんでしたが、左の中継ぎが不足しているチームでは、その穴を埋める存在となれるかもしれません。

実績十分のリリーフピッチャー、久保裕也

 次は通算418登板と実績十分なリリーフピッチャー、巨人の久保裕也です。久保の武器はフォーク。過去5年間の奪空振り率を見ると、リーグ平均を上回る高い割合を記録しています。昨季は48試合に登板も、今季は一軍マウンドに登る機会がなかった久保。しかし、空振りを奪えるフォークが健在ならば、まだまだ他球団で投げられるのでは、とも思います。

グラウンドボールピッチャー、山内壮馬

 次は12年に10勝を挙げた中日の山内壮馬です。山内の特徴はゴロを打たせるピッチング。このゴロを打たせるスタイルは、“飛ばない”と呼ばれた統一球が使われていた11、12年以降も変わっていません。13年に右肘手術を受けてからは一軍での登板機会も減っていますが、持ち前のゴロを打たせる投球で復活のチャンスをうかがいます。

代打で集中力を発揮、多村仁志

 最後は打者で一芸に秀でた選手を紹介します。その選手の名はDeNAの多村仁志。04年には40本塁打を放った強打者ですが、今季はわずか1試合の出場にとどまりました。それでも二軍で71試合に出場し、打率.319と結果を残しています。さらに注目したいのは近年の代打での成績。12、14年は3割近い打率を残しており、1割台にとどまった13年も打った3安打がすべて本塁打と、やはりひと振りで結果を残しています。スタメンは厳しくとも、代打などに活路を見いだせるかもしれません。

 ここまで一芸に特化した選手を紹介してきました。昨年、自由契約となった選手で、他球団へと移ったのは15人。今回取り上げた4名を始め、一人でも多くの選手が新天地で自分の持ち味を発揮することを願わずにはいられません。