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コラム COLUMN

日本一へあと1勝に迫ったソフトバンクの“悲報”と“朗報” タイムリーdata vol.4

多田 周平

3年ぶりの日本一に王手をかけたソフトバンク

 29日の日本シリーズ第4戦を劇的なサヨナラ勝ちで制し、日本一へ王手をかけたソフトバンク。2014年のプロ野球もいよいよ最終局面を迎えました。今回はソフトバンクの日本一の可能性と、阪神が逆転で日本一なるかという点について、過去のデータをもとに探ってみたいと思います。

“史上初”を許した唯一の悲劇

 過去の日本シリーズで、第4戦まで今回のソフトバンクと同じ星取をしたケースをまとめてみました。それが右の表です。黒星スタートとなるも、第2戦から3連勝したケースは過去8度。一気に4連勝したチームは半分以下の3回ですが、最終的には8度のうち7回が日本一となっています。
 その唯一の例外が、ソフトバンクの前身である南海が日本一を逃した1955年。過去3度も日本シリーズで敗れていた巨人を相手に今年こそと、思われましたが、第5戦で初回に3番で起用された巨人・藤尾に3ランを浴びて出鼻をくじかれ黒星。さらに本拠地で行われた第6・7戦も先制を許してそのまま敗れ、悲願の日本一とはならず。これは日本シリーズで初めて「先に王手をかけながら日本一を逃した」というケースでした。今年は前身である南海が喫した59年前の悲劇を回避できるでしょうか。

第4戦までに本拠地で王手なら…

 とはいえ、日本一に王手をかけたのは事実。有利であることに変わりありません。過去のシリーズで第4戦目までに王手をかけたケースは36度ありますが、そのうち日本一に輝いたのは32回。確率9割に迫る圧倒的な数値です。
 さらに今回のソフトバンクのように「ホームで王手をかけた」ケースに限ると、右の図で示した19回が該当しますが、すべてのチームが日本一に輝いています(先述の1955年の南海は王手をかけたのがビジター)。1992年の西武や、93年のヤクルトなど第7戦までもつれた例もありますが、結果的には日本一。ソフトバンクにとっては非常にありがたいデータでしょう。

阪神が甲子園で日本一を決めるには!?

 ここまでソフトバンクにまつわる2つのデータを紹介しましたが、阪神が逆転で日本一を勝ち取れるか、もデータで見てみましょう。第4戦で王手をかけられてしまったケースは過去21度ありますが、逆転したケースは先述の南海を破って日本一となった巨人を含め、たったの2回。60年以上続く日本シリーズでもなかなか難しいケースであることが分かります。
 阪神の日本シリーズでの星取をまとめると、第6・7戦での成績が1勝6敗と失速。さらに日本一となった1985年を除くすべての年で、連敗したまま日本シリーズを終えていることが分かります。王手をかけられてから抵抗できずに敗退を喫した苦い過去を忘れ、3連勝を飾ることはできるでしょうか。

 今回は過去のシリーズでのデータをもとに、あらゆるパターンを紹介してみました。3年ぶりの日本一まであと1勝に迫ったソフトバンクは、第5戦の先発マウンドに攝津を送ります。3年前の胴上げ投手がチームを再び頂点に導くか、それとも阪神が粘りを見せるのか。シリーズの行方から最後まで目が離せません。