ドラフト直前!オールドルーキー特集 タイムリーdata vol.2
25歳を超えての入団
今年もドラフト会議の季節がやってきました。毎年100人近くの金の卵たちが希望を持ってプロ野球の世界に足を踏み入れますが、その多くは高卒や大卒を中心とした10代後半から20代前半の選手。しかし、25歳を超えてから入団する「オールドルーキー」も少なからず存在します。今回はそんなオールドルーキーの成功例を、データを交えながら見ていきましょう。
24歳から右肩下がり!少ないチャンスを生かしたオールドルーキー
過去5年のドラフト指名を受けた選手を年齢別にまとめました。注目すべきは、指名人数が24歳を境に右肩下がりの傾向となっていること。やはり年齢を重ねるごとに、ドラフトにかかる可能性が低下してしまうのは間違いないようです。そんな中でも、少ないチャンスを生かしたオールドルーキーにはどんな選手がいるのでしょうか。
代表格はタカのエース!
現役選手で代表格に挙がるのが、ソフトバンクのエース・攝津正。JR東日本東北を経て2008年ドラフト5位で入団した攝津は、指名された時点ですでに26歳。即戦力として期待され、ルーキーイヤーから2年連続で70試合以上登板を果たしました。その勢いは先発に転向した11年以降も止まらず。12年には17勝、防御率1.91の成績を残し、沢村賞を受賞。伝家の宝刀・シンカーで打者を翻弄し、4年連続2ケタ勝利をマークする大黒柱となっています。
北の変則左腕もオールドルーキー!
日本ハムの技巧派サウスポー・武田勝もオールドルーキーの代表格です。武田は野村克也監督率いるシダックスを経て、27歳でプロ野球の世界に身を投じました。野村監督から伝授されたといわれる独特の投球フォームが武田の持ち味で、09年から12年にかけては球団の左腕で史上初となる4年連続2ケタ勝利をマーク。抜群の安定感で北海道移転後の日本ハム投手陣を支えています。
4年目から飛躍したサイド右腕
ここまでの2人は1年目から活躍していましたが、少し違う足あとを残しているのがオリックスのサイド右腕・比嘉幹貴。日立製作所から26歳で入団した比嘉は、ルーキーイヤーからすべてリリーフ登板。3年目まではケガの影響で年間通してマウンドに上がれなかったものの、4年目を迎えた昨季に大きく飛躍。今季はリーグタイ記録の34試合連続無失点をマークするなど、優勝争いを演じたチームに欠かせない存在となりました。
進境著しいハマの若きエース候補
DeNAの若きエース候補・井納翔一もオールドルーキーです。名門・NTT東日本から2012年ドラフト3位で加入した井納は、この時26歳。1年目から開幕ローテーション入りを果たすと、2年目の今季は自身初となる2ケタ勝利をマーク。150キロを超える直球と落差の大きなフォークを武器に、11月から始まる日米野球の代表にも選出された進境著しい右腕です。
チームに欠かせないバイプレーヤー!
野手にも成功例と呼べる選手がいます。現在は西武に在籍するバイプレーヤー・渡辺直人はそのひとり。26歳でプロ入りした渡辺は、軽快なフィールディングで草創期の楽天を支えました。また実直な人柄として知られ、トレードで横浜(現・DeNA)への移籍が決まった際には本人だけでなくチームメートも涙を流したエピソードも。請われた先々で必要とされ結果を出す姿は、仕事人の雰囲気を漂わせます。
クライマックスシリーズで活躍のあの選手も!
記録・記憶に残るオールドルーキー
近年引退した選手にも、記憶に残るオールドルーキーがいました。元楽天・草野大輔は、天才的な打撃センスとユニークな人柄で人気を博しました。28歳、ドラフト8巡目での入団は悩みもあったようですが、09年には中心打者として自身初となる規定打席に到達し打率.305を記録。チーム初のポストシーズン進出に貢献しました。
また、今季限りで引退を表明した元中日・三瀬幸司は球史に名を残しました。03年のドラフト7巡目でダイエー(現・ソフトバンク)に入団した三瀬は、28歳7カ月で新人王を受賞。これはパ・リーグにおける最年長記録で、今も破られていません。
今季の指名が予想されるオールドルーキーたち
エース、ブルペン陣の柱、名脇役……。さまざまな役割をオールドルーキーが担ってきました。今年のドラフトでも26歳を迎えた実力派投手・鮫島優樹(三菱重工広島)、上杉芳貴(トヨタ自動車)などの指名が有力視されています。決して目立つわけではありませんが、確かな技術とプロで生き抜く覚悟を持ったオールドルーキーたち。これからどんな選手が躍動するのか、注目してみてはどうでしょうか。
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