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コラム COLUMN

データから救援投手の最適配置を考える

山田 隼哉

サファテは6人もいない

 もしもブルペンにサファテが6人いたら、監督や投手コーチはどんなに気が楽だろうか。起用法に頭を悩ませる必要などない。どのサファテをどの順番で登板させようが、点を取られることはめったにないのだから。

 もちろん、このようなチームはどこを探しても見つからない。サファテ級の圧倒的な能力を持った投手はチームに1人いるだけでもありがたく、どのチームも多少なりともレベルにばらつきのある投手たちをブルペンに置いているのが実情だ。だからこそ、誰をどのような局面で起用するのか、あれやこれやと考えなくてはならない。2点リードの8回のマウンドには誰を送り、最後は誰が試合を終わらせるか。また、先発投手が序盤で大量失点してしまった場合は、残りのイニングを誰に消化させるのか。どれも、シーズンを通してチームが良い結果を残すために考えるものだ。

 ところが、実際のシーズンにおいて、どのような救援投手の起用法がチームにとって最も大きなプラスとなるのか、これといった正解を出すのは極めて難しい。投手個々の適性もあれば、対戦する打者との相性もある。日々変化するコンディションの問題も無視できないだろう。言ってしまえば、ケース・バイ・ケースなのだ。

 とはいえ、全く指針がないわけではない。基本的には、能力の高い投手ほど重要な局面で起用し、能力の劣る投手は大量点差など重要度の低い局面に割り当てることが、チームにとってプラスとなる。逆に、能力の劣る投手を重要な局面で起用すれば直接敗北を招きかねないし、能力の高い投手を点差が開いた局面で起用しても、不必要に体力を消耗させるだけだ。細かく見ればケース・バイ・ケースでも、こうした基本的な方針はどのチームにも共通するものだと思われる。むしろ、「優秀な人材に重要な仕事を」という考え方はどこの世界にもある普遍的なものかもしれない。

 本記事では、こうした考えに基づきながら、各チームの救援投手の起用状況を考察していきたい。

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