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楽天投手陣に見る、カーブの活用法

佐藤 優太

0ストライクからカーブを狙う打者は少ない

 野球の長い歴史と共に、多種多様な発展を遂げてきた変化球。近年では、シュート(ツーシームやワンシームもこれに類する)やカットボールといったムービング系の球種が隆盛を極めている。高速で小さく変化させることでバットの芯を外すことに主眼を置いたこれらのボールは、うまく機能すれば少ない球数で凡打の山を築けるため、特に先発投手にとっては習得する価値が高い。実際に直近10シーズンにおける球種別投球割合の推移を見ると、近年はシュートやカットボールが漸増しているのが見てとれる。

 ところで、他にも増加傾向の球種があるのにお気付きだろうか。数ある変化球の中でも、最も基本的なボールとされるカーブである。この背景としては、ディクソン(オリックス)に代表される、従来のカーブよりも鋭く曲がるナックルカーブの使い手が増えたことが挙げられるだろう。とはいえ、球速が遅く変化も大きい、前述のムービングボールとはまさに対極といえる球種が流行しているのは、いささか意外にも映る。

では、カーブを投じるメリットとは何か。

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